ダイエットと朝食の関係を、考えてみる。


朝食、とるべきか、とらざるべきか。

「朝食抜きダイエット」が登場してから、朝食はとったほうがいいの?と、なんだか朝食の必要性をいぶかる声も、増えてきているようです…。


まず、朝食をとる必要性として、こ以下のようなことがあげられています。

体温と代謝を高め、午前中の活動エネルギーとなる。

・特に、朝食をとることで脳の栄養である糖分が供給されるため、集中力や作業効率のアップ・疲労の予防も期待できる。

・一日三食を、適切な間隔でとることによって、身体のリズムを整え、ひいては生活習慣病の予防にもつながる。

・朝食をとることは、うつを直す「セロトニン」を作り出すもとになる。

「セロトニン」は、朝に脳内で徐々につくられるとされています。

そして和食の朝ごはんでは定番メニューともいえる、納豆や味噌、卵などに含まれており、加えて、物を噛む(食事)などの行為によって、「セロトニン」の組成が活発化する、と言われています。


一方で、朝食抜きダイエットが主に問題にしているのは、一日の総摂取カロリーのようです。

一日に必要とされる総摂取カロリーは、男性なら2,000~2,400キロカロリー、女性なら1,600~1,900キロカロリー程度とされています。

単純な話、一食抜いたぶん、トータルの摂取カロリーが減りますからね。

飽食の現代、一食抜いたくらいでは、栄養バランス的にも、ほとんどなんの問題もない、という考え方のようです。

また、朝に食べたものが消化吸収されるぶんの時間もかかるので、すぐ午前中のエネルギーには転化されない、ということもあるようです。


しかし、朝食を何もとらないと、脳への糖質補給がまったくないことによって低血糖状態となり、夜寝ることで休息していた副交感神経(自律神経)から活動モードの交感神経への切り替えスイッチが、本来入れ替わるべきタイミングではうまく働かないことになります。

最低でも、朝から脳が活動するにあたっての糖質の補給が、必要にはなってくるわけです。

本当は、糖分を代謝させるためにはビタミンやミネラルも欠かせないので、そうなると、朝食のかたちで一回でちゃんととるのが、もっともよいのではないでしょうか?

また、朝食をとらないという行為が身体の代謝を損なう、という考え方もあります。

朝食を食べないと体温もあがらず、代謝も低いままに、アナタの一日がスタートしてしまいます。

そして、空腹の反動でお昼ごはんを食べ過ぎたり、朝ボーッとして職場の上司に怒られたり、一日中なんだか体調がイマイチだったり。

ダイエットのためにこれでは、本末転倒というものではないでしょうか?

ついでに書いておくと、朝食を抜くと、大腸のぜんどう運動が引き起こされずに、便秘になってしまうリスクだってあります。

これだってお肌にもよくないし、生活習慣の面でも。いいわけないですよね。


朝食抜きダイエットは問題がないのか、それとも間違ったダイエットなのかということについてのはっきりした決着は、いまだについたわけではありません。

しかし別のコラムでも書いたとおり、ダイエットは本質的には、長期戦の世界

短期的な体重の増減よりも、夜の食事とお酒をなるべく控えめにし、朝食をしっかりとって、一日の総摂取カロリーが、知らず知らずのうちに一定範囲に収まるような生活習慣を確立していくほうが、大切だと思いませんか?

なかなか「言うは易く、行なうは難し」の世界では、ありますけれどね…。


あと、「ナゼに朝、何も食べたくないのか?」ということを、ときどき考えてみて、思い当たる原因については、改善をはかっていくことも大事です。

やはり寝る前のお酒やドカ食いなど、前日の夜にその原因があることが多いものですよ。

ということは、生活習慣に崩れがあるということ。

ここらを反省して、前日の夜の食事の調整に意識的につとめることで、自然と朝ごはんが食べたくなってくるものです。

朝食をしっかりとる時間のない人も多いでしょうけど、そんな人はせめて、カロリーメイトやウィダーinゼリーのようないわゆる「10秒メシ」、またはバナナ1本と低脂肪牛乳だけでも、とるとよいですね。

とりわけあなどれないのが、バナナ。

バナナは、この「セロトニン」の原料となる栄養素をすべて含んでいるといわれ、てっとりばやいエネルギー補給に最適な食品といわれています。